ティダぬファ~『WATARU』

毎日が旅だったらいいのに…

無事を願い祈りを捧げた神域

2017.10.29   17:30


「糸数御嶽(イトゥカジオン)」
「天川御嶽(アーマーオン)」

を訪れた後に行った御嶽…

初めて訪れるには
少し解りづらい入口ではありますが、
比較的知られている

『美崎御嶽(ミシャギオン

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鳥居の奥に拝殿がありますが…


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(@_@;)!!
なんと!


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聖域とされる場所に
神の使いが鎮座しておりました(笑)

そーではなくて…(^_^;)


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1人の女性が手を合わせていましたが、

拝殿の奥には
イビの石門がございました。

まさに
聖なる神域!!


またまた話は長くなりますが…

1500年という時代に
琉球では知られている
という反乱が起こったのです。

以前、
『敵同士になった兄姉妹の反乱』
というタイトルで
ブログの記事にしたことと
重複してしまいますが…


大昔、
この美崎御嶽の一帯は
山だったのでしょうね。


当時の琉球王府は島民に対して
とても重たい人頭税を課しており、
その人頭税を巡って勃発したのが

波照間島出身ですが、

石垣島の大浜地区の豪族で、
村人が重い人頭税に苦しんでおり
王府に立ち向かった
反乱軍の英雄と云われています。


対して
反乱軍の対戦相手となったのは王府ですが、

更に掻い摘んで言うと…

アカハチと同じ波照間島出身の
長田大主(ナータフージィ)という男がいた。

幼少期に石垣島へ移住し、
オヤケアカハチに2人の弟を殺され
アカハチに恨みを持っていたのでしょう。

ナータフージィは
「アカハチが反乱を起こそうとしている」
と、首里王府に企みをチクり、
王府に加担した豪族。


そして
オヤケアカハチ率いる反乱軍が
争いを勃発させた…というわけです。


ナータフージィには
「真乙姥(マイツバ)」
「古乙姥(クイツバ)」
…という2人の妹がいた。

ややこしい関係なのですが…

下の妹である古乙姥(クイツバ)は
ナータフージィの敵である
オヤケアカハチの妻…(^_^;)


複雑ですが…
ちょっと信じられない家系図だな(笑)

それは良しとして…

俺が訪れた美崎御嶽に関わるのは
お姉さんにあたる真乙姥(マイツバ)。


このマイツバさんは
実兄率いる中山軍(首里王府)
のために無事を祈った人です。


美崎御嶽はマイツバさんが
戦いに出向いた王府が
無事に帰還することを
祈り続けた場所…ということですね。

当時はまだ山だった場所…

マイツバさんの
祈りのおかげかは解りませんが、
戦いに出向いた王府軍は
一人も欠けることなく帰還したそうです。

その祈りの場が
このイビの石門の中なんですね~。


その反乱では
オヤケアカハチは勿論のこと、
アカハチの妻であり
ナータフージィとマイツバの
実の妹であるクイツバも

王府軍に殺されてしまった…

(>_<)

複雑ながら切ない…。


祈りで功績を讃えられたマイツバさんは
王府から神職を授かり、
神職を全うしたのでしょう。

美崎御嶽から遠くない場所に
「真乙姥御嶽(マイツバオン)」という
御嶽があり、
村人たちから崇められてきたそうですよ。


少し空気の違う美崎御嶽の拝殿横には

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大きな葉で木陰を作ってくれる
コバデイシの大木があり、
実がなっていました(^v^)


そして
同じ境内にあったもの。

拝殿の斜向かいには…

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小ぶりな社が2棟…


「藏元の火の神」
(クラヌビィナカン)

竹富島で有名な西塘(にしとう)という人が
竹富島に蔵元政庁(いわゆる役所)を
設立した際に建てられたと云われ、
八重山や蔵元政治の守護を祈る御嶽。

今では
美崎御嶽の境内に移転されたという。


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「ユーヌ火之神」
(ユーヌビィナカン)

安全・平和・健康・繁栄を祈願した
「火之神」が祀られているそうです。


「火の神様」…
と言われていますが、
昔から各家庭でも
かまどのある場所に祀られ、

現代でも
自宅の台所に火の神様を
祀っている家庭も多いと思います(^v^)


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何度か訪れている石垣島だが、
ほぼ八重山の離島へ出向いてばかり。

石垣島内のことは
あまり解っていない中、

旅に来た石垣の初日に
たくさんの史跡に
触れることができました。


毎度毎度…
言っているセリフですがね、

覚えちゃ~いないけれど
歴史は面白い! (*^。^*)


因みにね、
石垣市街地といわれる
「美崎街・登野城・大川・石垣」の地区は

一方通行の道が混在しているので、
どこかの駐車場に車を停めて
乗り物を利用せずに
歩いて散策するほうが良いですね。


☆☆ 海亀好きの航路より ☆☆