ティダぬファ~『WATARU』

毎日が旅だったらいいのに…

HAZICI

2017.5.31   

< 宮古島総合博物館にて >

突然ですが…
「針突」という言葉はご存知ですか?

宮古島の方言では
「パージキ」と呼ぶそうですが、
沖縄の島々では一般に
ハジチ」と言います。

簡単に言うと、
「刺青(いれずみ)」です。


俺は1度だけ
ハジチを見たことがあります。

10年前くらいに
斎場御嶽へ訪れた際、
イビにひざまずきお祈りをする
2名の(老婆と若い女性)を見かけた。

手を合わせる老婆の手の甲に
意味有り気な記号のようなものが
描かれていた…と思っていました。

当時はまだ
沖縄の文化について何も知らず、
ただ「沖縄!!」というだけの
軽いテンションで観光をしていたので…

それと、数年前に
沖縄にまつわる
あるテレビゲームで
ハジチ」について少し知りました(笑)


今回博物館に来て
ハジチ」について展示があり、
興味深く学びました。

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イメージ 2

(画像はHPより)

これが「ハジチ

沖縄の女性の手の甲や指先、
地域によっては前腕までの広範囲に
施された刺青のことを
「針突(ハジチ)」と言います。

琉球王朝時代という古来から
明治末期までの間、
女性に施される刺青で
広く行われていた沖縄固有の風習。

士族などの裕福な者は
専門針突師(ハジチャー)
によって施されたのだが、

多くは友達同士や家族によって施され、
自身で施術した場合もあった。

呪術や成女儀礼として行われた
身体装飾だそうだ。

ハジチの禁止令が出されたが、
その後も昭和初期までは見られた。

今は消えてしまった
どんなものだったのか??

イメージ 3


イメージ 4


ハジチの文様は多種多様で、
色々な意味を持っているんですね。

機織りで織った上布の文様を入れる
こともあったそうです。

文様によっては
親の願いが表されていたり、
死後に先祖や神様に示すための
重要な印であったり…

厄除けや魔除けなどの意味を
表すものもあった。

奇数の年の吉日に
ハジチを施す…なんていう記事も
目にしました。

儀式的なものと
女性のファッション的な要素も
あったんでしょうね。

宮古島では
このハジチを7歳~14歳くらいの
幼少期に行っていたそうですよ。

1度の施術に数時間かかり、
施術後は腫れ上がり…
相当痛かったのでは(>_<)

当時の沖縄の女性は
ホントに強いものですね。

このハジチの風習を
大和の人々はきっと…

ヤクザどもが彫り込む刺青と
同じように考えているのでしょう…。

今でも残っていたら、
素敵な文化だと
俺は思うんだけどな~。

日本は島国で、
北は北海道…南は沖縄まで
大小たくさんの島があり、

その分
たくさんの民俗があっただろうし、
たくさんの文化や風習があった。

今では
祭なども伝統は続いていても、
失われているものの方が多いのかも。

まだ現在健在でらっしゃる
沖縄のオバーの中に、
ハジチを施した方は居ると思うが、

ハジチを施された沖縄女性が
全く居なくなる日も
そう遠くはないんだよね…

親の想いが込められた文様が
命が亡くなるまで消えることなく残る。

そんなステキな文化が
もう現在は失われてしまったって
切ないことですね…


☆☆ 海亀好きの航路より ☆☆